消えた同級生【玩具の女編】
私はコイツを倒すために、今まで鍛えて来たんだ!

王子が飛び掛かって来たのを私は避け、注射器の持つ手を下から力いっぱい蹴り上げた。

格闘技を習ったから、色々な攻撃パターンを先読み出来る

頭が冷静でさえいれば…

足は見事に手首を命中し、注射器は割れることはなかったが、本棚の奥まで飛んでいき、転がった。

「畜生が!!」

王子に肩を掴まれ、私はそのまま床に倒され後頭部を思いっきり強打して、頭がクラクラした。


注射器さえなんとかすれば、そう思ったけど甘かった!

私はやっぱり最後のツメが甘い…

王子は私に馬乗りになって首を締め上げてくる

「死ね!今度こそ…」

私は怒りに歪んだ王子の顔を霞んだ目で見た時、後ろに蒼湖の姿を見た。

蒼湖…

ごめん、カタキ…うてないかも…



寒河江!!



私は必死にその名前を心で叫んだ



届くことはないのに…
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