消えた同級生【玩具の女編】

記憶




『次はあんたが思い知ればいい!』

そう言ったのはアスミだった…

私は流産してから、寒河江の優しさに不安を感じるようになっていた…

『好きな人、出来たでしょ〜、なんか大人っぽくなったよ』


お母さんに言われた。

でもね、お母さん…その人は好きになったらいけない人なの…

私が好きになったら終わりなの…

私はもうすぐ飽きられる…

そしたら別れなければならない。何がなんでも…

だからそれまでは隠さないと…

私がこんな風に緋色を想ってることを、隠さないといけない…




「蒼湖!重いものは持つな!」

「だ、だって衣替えしないと…」

「俺が持つから、言えよ!」

そう言うと、緋色は大して重くもない衣装ケースを、私の手から奪った。

あれから大分経ってるのに、彼は私を腫れ物扱いする

「ねえ、もう大丈夫だから…」

私が彼の腕を掴むと、振り向いてチュッとキスをしてきた。
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