消えた同級生【玩具の女編】
「話なら、せめて廊下でしろよ!身体冷やすな、風邪引くから!」

緋色…

「私の席、暑いから…」

「じゃあ、カーディガン脱げばいいだろ?」

……だって、せっかくお揃いなのに……

私は緋色をじっと見た。

「…な、何だよ、そんな目で見るな!」

私はしゅんと下を向いた

見たって気持ちが伝わらないことを知ってる。拗ねたら面倒くさいって思われるかもしれないし…

チュッっと一瞬唇が触れた。

え?

私が顔を上げると緋色はいたずらっ子ぽく笑った。

そんな所がたまらなく憎いよ…

離れられなくなる。

「そんな顔する、お前が悪い!」

緋色……


「寒河江先輩、こんにちはー!」



二年生の女の子が二人、笑顔で挨拶していく

「おう!」

彼が笑顔で応えた。文化祭で喫茶店をやってから、彼はまた人気が上がった。

ホストをやったから…

今の女の子…文化祭の時、ずっと緋色をキープしてた子だ…

しかも可愛くて有名で、色んな人に写真を撮られていた。

アスミといい、あの子といい、この人の回りには可愛い子が集まってくる…
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