消えた同級生【玩具の女編】
「!!!」

「何で殺してないの?」

玄関のドアが開くと、そこには緋色なんかじゃない違う男が立っていた。

私の腕には注射器が刺さったままだ…

「何でここに!?」

「あのバカ男、普通に学校来てるんだけど…何で殺してない訳?」

「私はあの薬に勝ったから!」

「ムカつく…、ま、二回目はどこまで堪えられるかな?」

「何で私達に付きまとうのよ!?」

「二人とも消えてほしいんだよ…俺の前から…
お前があいつを殺して自分も死ねば、俺はやっと幸せになれるんだよ…」

先輩はゆっくりドアに手をかけ、私の腕の注射器を抜き嫌な笑顔を向けた。

「それではさようなら…
永遠に…」



目の前で扉が閉められた。

私の心が真っ暗になったのと同じに…



逃げられない…この苦しみから

また私の中に、緋色を殺す妄想が回り始める…



死にたい…疲れたよ…


そう思った時だった…







緋色をいつも通り殺して、幸せになった気分の時、緋色の死体が暗闇に吸い込まれていった。

と同時に私の周りまで真っ暗闇になってしまった…

「緋色…?」
< 307 / 369 >

この作品をシェア

pagetop