消えた同級生【玩具の女編】



私はとぼとぼと歩き、いつの間にかまた部屋にいた

二人分のご飯を作り、テレビを見ながら緋色を待つ

しかし、気付くとご飯は消え、テレビの中の人間はのっぺらぼうになってしまった…



つまらない…



学校に行っても淑ちゃんや、他のクラスメートものっぺらぼうになっていた



つまらない…



緋色のいない世界…


真っ暗でつまらない世界…

こんな世界は嫌だ!

じゃあ、私が死んだら?緋色を殺さない世界

私が死んだ世界はどうなるの?




そう思った瞬間、眩しい光が空からさしてきて、私の世界を明るく照らし始める。

「いくぞー!」

遠くから緋色の声がして、私は振り返った

緋色は遠くの校庭で、いつものようにサッカーをしていた。

とびっきりの笑顔で楽しそうに…

私は嬉しくて近付こうとしたが、目の前にガラスがあり世界を仕切られていることに気付いた…
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