消えた同級生【玩具の女編】
無性に緋色に会いたい…
次に会うのが、きっと最期になるから
私はまた始まる緋色を殺す妄想と、自分を殺す妄想に挟まれた。
でも、私の中で結果は決まっていた
鍵が開く音が響いて、私は顔を上げる。
「ただいま」
会いたかった…
私は緋色に強く抱きついた
「…抱いて…」
もう、最期だから拒まないで…
女からそんな事を口にするなんて、いやらしいと思われるかもしれないから、私は緋色の顔を見ることが出来なかった…
お願い、拒まないで。最期まで愛されていたと錯覚したままいたいから…
その後は好きにしてもいいから、お願い、今だけ…
私の心の声が緋色に届いたのかはわからないけど、彼は私を優しく力強く何度も大事に抱いてくれた。
甘い囁きの中で、私は私の細胞中に緋色を詰め込んだ…