消えた同級生【玩具の女編】
その瞬間、私の胸にあった箱にこの光り輝く世界が一気に吸い込まれていき、パタンと小さな音を立てて閉まる

私は箱を抱きしめて、岩場に座った

私は大丈夫…この箱があれば、暗闇で独りぼっちでも生きていける



彼はきっと今頃幸せに生きてるだろう

あの笑顔でいるんだろう

そう思えば、私は大丈夫…

この箱を抱いていれば、いつでも幸せだった頃を思い出せるから…



私は光の漏れる小さな箱を抱いて目を閉じる



大丈夫…幸せだったから…
一人でも大丈夫…

愛してる、緋色…



だから、どうか幸せに
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