消えた同級生【玩具の女編】
催眠
秋の屋上は少し冷たい風が流れていた。
太門は小さくため息をつく
「何がムカつくって、何で俺の娘どもはお前だけを選ぶのか、全く理解できない」
「娘でしょ…二人は一人なんだから…」
太門はチラリと寒河江を横目で見て、またため息をつく
「うるせーよ、整形小僧!」
「…整形なんかしてませんけど…」
「へー、いいねえ頭も顔も良くて、背まで高くて…
両親に感謝すべきだね」
「そうじゃないでしょ!どうして茶化すんですか!?
あなたは碧依に対してすごく神経質だった。本当のあなたは、もっと真面目できっと細かい事にまで気を配るような繊細な人のはずなのに、どうしてそんな風に適当でおおざっぱなフリをするんですか?教えてください、ちゃんと」
寒河江の言葉に、太門は真剣な眼差しを向けた。
その表情に、寒河江の方が戸惑ってしまった
「その台詞、言われたのは2回目だ…
そうか、ずっとお前の事、誰かを思い出させると思ってたけど…
お前、星子に似てるんだ…
だからアイツ…」
「俺があの人に?」
「アイツは、星子はお前達がこうなることを予想していたんだな…」