消えた同級生【玩具の女編】
「そう…もし、成功したら、蒼湖を…囮に使う事…
蒼湖が、この事件で唯一の復活者となる。敵は必ず蒼湖に何らかのアクションを起こすと上は考えたんだ…」

あまりの残酷な条件を、寒河江は考えた

自分だったら…?

自分だったらどう選択するのだろうか

蒼湖を…


でも…

「せっかく生き残ったのに、また囮に?」

「ああ…星子は猛反対だった…
当たり前だ…狼の群れに、ウサギを放るようなものだ…
だけど、このまま何も知らず、何も経験できないまま15歳の少女が、生きたまま死んでいいと俺は思えなかった!少しの可能性に賭けたかった。
危険だと知っていれば、最初に対処だって出来る

…それに…」

太門は寒河江に目を向けた。


「狼の中には、少なからず味方がいると信じていた。別のグループのボスか、一匹狼かは知らないけど。」
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