消えた同級生【玩具の女編】
「成功だった…

俺らのチームは慌てて蒼湖、いや碧依に整形手術を施した。顔を変えて、手首の傷も皮膚を移植して、ありとあらゆる蒼湖という証拠を消し去った

…あの傷以外…」


太門が寒河江を睨む


「星子が、何一つ遺らないのは嫌だと言ったから、あの傷は仕方なく遺した。

…まさか、お前があれを見るなんて考えなかった…
いや、星子は…わかっていたんだな…蒼湖が生きてる事を、お前にはわかる証拠を遺したんだ…」


だから、俺に生きろと…


生きていれば幸せになれると教えてくれたんだ…




「碧依はそれからどんどん新しい記憶を吸収していった。三ヶ月経つ頃には、普通に話せるようになった。

自分は交通事故で入院してると信じるようになった…

自分の作られた生い立ちや記憶を受け入れたんだ」
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