消えた同級生【玩具の女編】
涙が流れた…

苦しさはもうない。きっと脳内麻薬が分泌されてきたんだ…

私はもう死ぬ…

こう思うのは二回目だ

同じ人に二回も殺されるなんて、バカだな



ホント、バカだ…私…

私が見た蒼湖は、思い出したくない私が作り上げた妄想だったんだ…

それに、みんな私の為にやってくれていたのに

お父さんも、お母さんも、私の為に隠していたんだ。

私がまた壊れないように守ってくれてたのに…

お母さんなんか他人のフリを続けてどんなに辛かったんだろう

淑ちゃんだって、あんなに心配してくれてたのに、疑うなんて!

何でもっと早く気付かなかったんだろう…

後悔ばかりに襲われる

でも、死ぬ前に伝えたかったな…

みんなに



そして、緋色に…



私はゆっくり目を閉じた。


暗闇がくる。安らかで静かな闇が………





「碧依!!」
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