消えた同級生【玩具の女編】
あの最初の日、誰かとぶつかって蒼湖と先生の事を言われたって…

そうか、最初から!

「あんな話をまんまと信じた自分が悪いじゃないか…好きな女を信じられないあんたが悪い…」

「緋色、コイツが落飾の天子だよ!先生が好きで手に入れようとして私達を恨んでる!」

「コイツが?…最悪、逆恨みもいいところじゃねーか…テメーで殺して、俺らを恨むなんて…頭オカシイ」

「うるさいんだよ!欲しいものが全部手に入るお前にはわからないんだ!俺だって、正式な跡取りだったのに…あんな女さえいなければ…」

「本当に欲しいものは、まだ手に入ってねーよ!お前なんか所詮表面しか見てないからわからないんだ!」

「うるさい!!殺してやる!お前も、その女も!」

王子が注射器を構え、緋色が私を掴んだまま後ろに下がる。



怖くない…この手があれば…



空気が張りつめたその時だった。
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