消えた同級生【玩具の女編】
「おい、何なんだよ…」

息が切れた太門さんが、緋色を追いかけて入って来た。


「た、太門さんまで…何で?」

た、た、太門さんが何でここに?

驚く私を余所に、太門さんは部屋を見回す


太門さんは私達の光景を見るなり、表情が一変する。

長年の捜査官の勘ってものなのかな



だけど、表情が変わったのは、太門さんだけじゃなかった…



「先生!!」

王子の手からプラスチックの容器が落ち、ふらふらした足で太門さんの方に近づいていく。

「帰って来てくれたんだね…、僕の為に帰って来てくれたんだ…」



その王子の姿に、私も緋色も寒く感じていた

気味が悪い…

この人、普通じゃない



「…やっぱり…待っていたんです…」

その手が太門さんの襟を掴み、太門さんをぎゅっと抱きしめる

「…お前、誰?」

「え?」
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