消えた同級生【玩具の女編】
ちらほら人がやってきたが、みんな私を変な顔で見るので挨拶する気にならなかった。

「碧依ちゃん、ちょっと来て!」

教室に入って私を見た淑子が、慌てて私を引っ張っていった。

「どうしたの?」

「見て!」

淑子が指差した先には、成績の順位表が貼ってあり、学校に来た生徒が群れていた。

「え?私関係あり?」

「大有りだよ、ほら!」

私の名前があった。あれ?

「…5番?」

学内模擬試験と書いてある。もしかして、私の編入試験はみんなと同じ問題だったのか…、だから担任は褒めてくれたのか。

表を見ると、1番に寒河江があった。淑子は23番目。改めて特進クラスのすごさを知った…

「みんな、頭いいんだ…」

「な、何関心してるの!?5番だよ?碧依ちゃん、すごいよ!」

「私、転校ばかりだから、何処に行っても遅れないようにしてるだけだよ。友達もあんまりいないし、勉強するか、テレビ見てるかどっちかだもん。あれだけやれば当たり前って気がする…」

私は普通の高校生じゃないからな〜。放課後遊びに行ったり、デートしたり、友達とメールしたり、そんな普通の事してない。
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