消えた同級生【玩具の女編】
「すごい、数学満点!じゃあ、今度教えてくれない?数学の先生、嫌味くさくて大嫌いなのー」

「いいよ、私数学好きだから」

二人でニコッと笑う

「そうそう、碧依ちゃんに見せようと思って、蒼湖の写真持ってきたよ!」

「マジ!?」



机に戻って手渡されたのは、ミニアルバム2冊だった。

表紙をめくると、クラスで撮ってるものから出てきた。

「中一だよ。まだ可愛い頃だよ」

似てる…。私とそっくりだ…

「昨日は瓜二つだと思ったけど、写真見たらやっぱり違うよね。碧依ちゃんの方がきりっとしてて、少しはっきりした顔なんだね」

まだあどけなく笑う蒼湖は、私より優しい顔立ちをしている。

似てるけど、やっぱり違う

ページをめくる。蒼湖は楽しそうに笑っていた。

え!?な、何これ〜!?

体育祭の写真だった。青いハチマキをして笑う蒼湖。その隣には、今では信じられない顔で笑う一人の少年…

か、か、可愛いすぎる!何この美少年!!!

さらさらの黒い髪がなびいてる。無邪気に笑ってピースをしている姿に釘付けになった。
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