消えた同級生【玩具の女編】
「寒河江、可愛いでしょ?モテ方が半端じゃなかった。この時は、蒼湖も寒河江の事好きだったんだよ。」

びっくりして淑子を見た。

蒼湖が寒河江を好きだった!?

じゃあ、先生の事は??

でも、この二人を見てなんとなくだけど理解できる。すごく似合ってて、カップルみたいだ。

二人は両思いだったのかな?じゃあ、これから何があったんだろう…

やがて文化祭の写真になる頃蒼湖は笑わなくなった。暗い表情…。

きっと噂や、先生の自殺の時期。

やがて二年になり、悲しげだけど少し笑うようになっていた。修学旅行もちゃんと笑ってる。

だけど三年…。悲しい顔。悲しいなんてもんじゃない!希望の無い顔…、絶望だ。告別式でみた寒河江と同じ……

その時予鈴がなった。

「それ、貸してあげるよ。好きなだけ見て!」

淑子が優しく笑って、窓側の席に戻った。

「ありがとう!」

私は席に座り、数学の教科書を準備した。

そのまま写真を見続ける…

先生が来て授業が始まる。私はちらっと寒河江を見た。


二人に何が起こったんだろう…、一体何が…
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