消えた同級生【玩具の女編】
やっぱり無理強いはしたくないし…

「じゃあ緋色は何が欲しいの?」

「ペアリングだろ?」

「それは私の欲しい物だもん…」

「…じゃあ、当日まで考えておく…」

緋色はニヤリとしながら、私を見た

嫌だな、この笑い方…

よく人をからかうときにする顔だ…

緋色は何を欲しがるんだろう

私は悩みながらタオルでクラゲを作って、人差し指で静かに潰した





「短かったけど、お世話になりました」

みんなにノートを配って挨拶をした

「いや、上野ならどこでもやっていけるだろう!頑張れよ。」

先生にまでそんな事を言われ、私は苦笑いだ

何だか色んな事件があって、この学校は忘れられない…

私は緋色と図書館に寄り、社会科室に寄って、先生の日記を二人で分けて鍵を閉めた

「その鍵、本当に返しちゃうの?」

「ああ…俺にはもう必要ないから」

「そっか…」
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