消えた同級生【玩具の女編】
定番のリングが並ぶ中、細くていびつに曲がったリングを見て、なぜか二人で顔を見合わせた

このリングに関して、私達は同じ意見だった

緋色がお金を払ってくれて、箱をちゃっかり貰いつつ、私達はその場から指輪を付けて店を出た

「すげーな、この形!超気に入った!」

「指輪、嫌いなんじゃないの?」

「誰が嫌いだって言ったんだよ!ヤベー、腹減ったな。飯にすっか…」

「うん!」

私達はちょっといいレストランに入り、ランチのコースを頼む

「ホントは7時からイルミネーションが点灯されるのを見たかったんだけど、時間ないから無理だな〜」

「まあ、来年見ればいいじゃん」

左薬指の指輪を嬉しそうに見つめながら、緋色が答える

「来年、受験生だよ〜。こっちに来れるかな…」

「お前なら余裕だろ?」

「だって、今よりレベル低い学校に入るんだもん…心配で…」

「大丈夫だよ…」

優しく緋色が笑う

「…そ、そういえば緋色のプレゼント決めて来た?」

「ああ」

「何?」



「…お前」
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