消えた同級生【玩具の女編】
「え?わ、私?」

「そう」

緋色は真剣な顔で見つめてきて、私は頭がついていかなかった

「お前が欲しい…俺にくれるか?」

「だ、だって…もう緋色の…」

その時緋色が私の左手を優しく掴んで、薬指に何かしたのを私は黙って見ていた

「俺が欲しいのは、未来のお前」

指を見ると、青い石の入った指輪がシルバーリングの上に乗っていた

「これ、まさか…」

あの時の…

「お前には今年これを贈るつもりだったんだけど、まさかペアリングが欲しいって言われるとは思わなくて…ま、これは二年前のプレゼントだから、仕方なく二つ受け取ってくれ」

だから、微妙な顔をしたんだ…

指輪が二つになるから

嫌だった訳じゃなかったんだ…

「ありがとう…、大事にするね」

泣きそうになるのを堪えた

溢れ出る緋色への気持ちが我慢できない…

「飯食ったらどうする?映画でも見るか?」

「…ううん、行きたいところがあるの」

「おう、じゃあ、連れてってくれよ」

緋色が楽しそうに笑ってサラダを食べ始めた

私も嬉しくて笑った
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