消えた同級生【玩具の女編】
緋色が持ってくれていた荷物を、私の足元に置いてくれた

「少しの間だけだよ」

「うん」

ダメだ、緋色の顔が涙で見えなくなってきた…

その瞬間緋色がチュッと私にキスをして、いたずらっ子ぽくニヤリと笑う

「バーカ」

ドアがゆっくり閉まって、彼が片手を上げる

私は窓に張り付いて、見える限り彼を見つめた



一生の別れじゃないのに…

「う、ひ…ひいろ〜」

私はその場にしゃがみ込んで、鳴咽しながら泣いた…



自分の身体をしっかり抱きしめる

大丈夫、私の中には緋色が詰まってる…

大丈夫、寂しくない、すぐ会える…

その時、私の携帯がなり、開いてみると緋色からのメールだった

私は内容を急いで確認する


「バカ…」


思わず笑みがこぼれてしまった

新幹線は私を彼から引き離していく

でも、この道は未来への一歩なんだ


私達は未来で会える…

いつか、また寄り添って今度こそ…



私は立ち上がって窓の外を見つめた



大丈夫…今度こそ…その時は…






――完――
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