消えた同級生【玩具の女編】

脱走

チャイムがなって、私は急いで寒河江のところに行った。

「さっきはありがとう…、助け船、出してくれたんでしょ?」

ちらりと私の顔を見て、寒河江は立ち上がり何も言わずに教室を出て行った。

「待ってよ!」

廊下で寒河江の片腕を掴んだ。

「お願いがあるの…、蒼湖との事教えてほしい…。少しでいいの…」

ばしっと腕を払われた。寒河江は私の顔すら見ずに歩き出した。

「何で…」

そうつぶやいた時後ろの方からガラスの割れる音が響いた

悲鳴が聞こえ私はそっちへ向かった…

人込みを掻き分けてたどり着いた先には、二人の男子生徒が椅子を持っていた。辺り一面ガラスが散らばっていた。

「おらおら、よく見ろよお前ら。このクソ学校が壊れる様をよ!」

「成績で人間を計る馬鹿な学校なんて壊れちまえ!」

二人の目はどこか虚ろで、私は瞬間的にアレを考えた。

もしかして…

通り掛かった先生が止めに入ったが、持っていた椅子を振り回して近づかせないようにした。

その勢いでまた窓ガラスがわれ、何人かが悲鳴をあげる
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