消えた同級生【玩具の女編】
「やめなさいよ」

私が彼等を制止すると、私の回りの生徒達が私から数歩離れた。

私は前に進む。

「あれ?如月じゃねぇ?お前死んだんじゃ…」

手前にいた少年は少しひるんだように見えた。

「し、仕返しに来たのか?俺らが、あの日…」

少年は怯えだし、私が近づく歩数に合わせて後ろに下がった。

「き、如月…やめなさい、下がりなさい!」

教師が動揺してるのがよくわかった…

私は構わず近づいた。

「何であの時、助けてくれなかったの?」

少年に合わせて私はハッタリをかました。たいてい罪の意識を持ってる人は、悪事に荷担するか、見て見ぬふりした奴か、そういう奴だ。

「あの頃の俺らは、寒河江さんのヤルコトが楽しくて仕方なかったけど、まさか、本気で…、あの人が本気で…」

こいつらは何かをしたんだ!蒼湖に…。あいつの命令で…

「ずっと怨んでたんだから…。あんたも、あいつらも。」

壊された窓から風が入って、私の雰囲気をばっちり演出してくれた。少年は恐れて手が震えていた。
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