消えた同級生【玩具の女編】
ガシャンという音とともにガラスが割れ、襲い掛かった少年は青ざめて立ち尽くしていた…

私達と襲って来た少年の間に突如として椅子が飛んできて、私達の間の窓のガラスを突き破って四階下まで落ちていったのだ…

…ちょっとでも手元が狂えば、どっちかに当たっていたかもしれない…。

ちょ、ちょっと!こいつにぶつかってたら、私…そのまま勢いで窓から落ちたかも…

冷や汗が流れ出す…

私は椅子が飛んできた方を恐る恐る見た

そこにいたのは寒河江だった

寒河江は歩いて来て、呆然と立ち尽くしている少年の胸ぐらをつかみ、教師に向かって押し付けた。

「おい、女が押さえ付けてるのに誰も助けてやらねえのかよ」

そういうと男子生徒が何人か慌てて出てきて、抑えるのを代わってくれた。



止まっていた空気が動きだし、ざわざわと話し声がしだした。

寒河江…


私はハッと仕事を思い出し、寒河江を見るのをやめ、何とか場を納めようとしている教師に近づいた。
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