消えた同級生【玩具の女編】
雨の日…

私はさっきからその事が気になっていた。

「寒河江さんが何をやるか知ってたから、皆で聞き耳立てて面白がってた。でも中からすごい暴れてる音とかが聞こえて、びびって皆で逃げた…」

レイプの事だ!

私は唾を飲み込んだ。

「ずっと悪かったと思ってたんだ…。
でも、付き合いだしてから寒河江さん、ずっと楽しそうに笑ってたし、如月も段々笑うようになって、幸せそうだったから結果的にはよかったんだなって。」

…あの事件までは…そう続くんだろう、と碧依は思った。

「俺ら、全然知らなかった、二人の事…。まさか如月が死ぬなんて…」

「寒河江のせいだけじゃないかもしれないよ…もっと別な理由が、隠されているのかも…」

加賀美はやっぱりというような目で私を見た。

今の二人…そう、人の理性を殺すあの麻薬…

蒼湖の体から発見された。
蒼湖を自殺に追い込んだ元凶…

全く未知なあの薬は、危険過ぎて存在そのものが隠されている…
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