消えた同級生【玩具の女編】
それなのにこの学校の関係者が二人も死んだ

一体誰が隠し持っていて、何の理由で蒼湖がそれを打つハメになってしまったのか…

「私にはわからないけど。何があったのかは…
でも、死にたくなるほど何かに追いつめられていたのかもしれない…」

私は真っ直ぐ彼を見た。

「そんな風に見えなかったけどな。俺が最期に見た二人は、楽しそうに手を繋いで帰っていく姿だった。
クリスマスも仲良くやるんだろうなって、俺も彼女欲しいなって思ったのを覚えてる…」

加賀美は静かに思い出を話してくれた。

…不思議だった。淑子とは全然見方が違うから。

加害者側と被害者側の友人ではこういう風に見えたんだ…

「自殺する前の日、二人に変わった事とかなかったの?」

「確かクリスマスイブで、如月は風邪で休んで寒河江さんが大人しく家でクリスマスパーティーする、って張り切って帰ったはず。
あの日の事は信じられなかったから、ちゃんと覚えてる。その前の日の23日は祝日だったし、その前の日は普通だったし。」

やっぱり、23日とイヴに何かあった可能性が高い…
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