消えた同級生【玩具の女編】

同棲

「如月、お前相当顔色悪いぞ?大丈夫か?」

ホームルームの後に、杉村先生に廊下に呼ばれた。

「はい、何とか…。ただ体育は見学してもいいですか?」

とてもこんな状態で動くなんて出来そうにない…

「そうした方がいい!浦川先生には伝えておくから。無理すんなよ?何かあったら言えよー?」

「はい、ありがとうございます。」

先生の優しさが嬉しかった

…でも……本当の事なんて言える訳ない

悲しい……

ゆっくり教室に戻った。

寒河江は相変わらず男子に囲まれて、楽しそうに笑っている。

私は不安だった。写真を見せるんじゃないか、一昨日の事言いふらすんじゃないか……そんな事ばかり考えていた。

もう嫌だ…、逃げたい…

自分の席に着いて、机に顔を伏せる。

「蒼湖大丈夫?風邪引いたって?」

淑ちゃんが優しく肩を叩く。私は過剰にビクッっしてしまい、慌てて作り笑顔を向けた。

「うん、すごく熱が出ちゃって!でももう大丈夫だよ〜。」

淑ちゃんは腑に落ちないような表情を向けた。

「あんまり学校休んでいられないし…、無理はしないから!」

「うん…でも真っ青だよ?」

「ヒーロー!」
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