消えた同級生【玩具の女編】
「長い冬でした、彼女いない歴15年…。熱い告白だった〜
あまりに真剣だったので、彼女に決めた!!」

ビシっと私を指差した。

ヒューっと声が上がる。

「っつーわけで俺のなんで、誰もちょっかい出さないよーに!以上!!」

取り巻きが冷やかすように拍手を始めた。

「何?もう用ねーよ。帰れば?」

寒河江が残酷に彼女を追い払う。彼女は私を睨み、泣きながら走り去った。

「いや〜もうアレが凄くてさ〜、俺、骨抜き?」

冗談を言い合って寒河江は笑っていた…

私は怒りと恥ずかしさで俯いた…。

あんな言い方をすれば誰だって私が告白したと思うに決まってる!

してやられた!言ったもん勝ちだ…。



「蒼湖、今の本当?」

淑ちゃんが不信そうに私を見つめた。


私は涙がこぼれそうになるのを堪えて、教室から飛び出した。

「俺のハニーが恥ずかしがってる!超可愛いんですけど!」

と、寒河江が笑いをとっているのを背中で聞いていた。

悔しかった!憎らしかった!私の事をあんな風におもしろいネタにして、自分が注目されていたいだけ。

おもちゃなんだ…本当に…ただの…


思い出した…
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