消えた同級生【玩具の女編】
午後はきちんと授業にでて、放課後は冷やかされながら二人で教室を出た。付き合ってる事にした方が、寒河江にとって都合がいいんだろう…きっと計算だった。

「荷物多い?」

「そんなにない…」

「買い物どうする?一回俺ん家に荷物置いてからにすっか?」

「どっちでもいいよ…」

何で聞くんだろう…、私には決める権利なんてないのに…

「釣れねー奴だな…。じゃ買い物から先にしようぜ」


スーパーに寄り、寒河江は夕飯の材料と私の生活に必要な物を全て買ってくれた。

私の荷物も全部持ってくれて、私は正直その優しさに戸惑った…

どうしていいかわからない……

寒河江の家はマンションだった。広い部屋が一つあって、見たこともない大きなベットがあり、広いウォーキングクローゼットがあった。あとはテレビ関係しかないようなシンプルな部屋だった。

キッチン、バス、トイレ、全部が広い造りになっている。

「夕飯作るから、荷物しまえよ。好きなところ使っていいから…」

寒河江が手際よく料理を始めた。私は頷いて荷物の整理をする。

私がタンスの一つを開けた瞬間、信じられないものが飛び込んで来た。
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