消えた同級生【玩具の女編】
茫然とそれに見入ってると、慌てて寒河江がきた。

「わりぃ、一個金入れにしてるから、気にすんなよって、もう見たか…」

そう、引き出しの中に無造作に入れられていたのはお札…

い、一体いくらあるんだろう…

「お前も好きに使っていいからな!」

「え?これを?」

「ああ、父親金持ちだから、気にすんな」

信じられない…中学生で一人暮らし?こんなにお金もってて…人生が狂う訳だ…私が盗むなんて心配しないのかな…

私はとりあえずお金を元に戻し、自分の服や、買ってくれたシャンプーなんかを整理した。

ご飯を食べ、後片付けをした時寒河江が命令を下した。

「風呂に入るぞ」

ビクッとした。

父親のいない私は、男の人とお風呂に入った事がない。

どうしていいかもわからなかった。誰かと入るのも恥ずかしいのに、同じ歳の男子と入るなんて…

そんなこと出来ない…

「じゃあ、先にどうぞ…」

「蒼湖、先に浸かってろ」

寒河江が有無を言わさず私に向かってバスタオルを投げた。

私は言う通りにするしかない。

恥ずかしさを我慢して脱衣所に入った。
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