消えた同級生【玩具の女編】
寒河江が色っぽい顔で見下ろす。

「よし、頭洗う!」

ぱっと身体離して浴槽からでた。

私はさっと目を背けたが、シャワーを出し頭からかぶって、ガシガシと洗う姿を茫然と見ていた。

ううん、目を奪われた。

美しい獣の水浴びを見るかの様に…



寒河江はいつの間にか全てを終わらせ、また頭からシャワーをかけ、前髪を指でかき上げながらお湯を止める。

「先にあがるぞ。のぼせんなよ!」

寒河江はささっといなくなってしまった…


私はゆっくり立ち上がり、続けて同じ様に髪や身体を洗い始める。

今日もするんだ…、きっと

不安で胸が締め付けられる。心臓が痛い…

お風呂から上がるのが怖かったが、本当にのぼせてしまいそうになったので諦めて上がった。

脱衣所から出ると、寒河江はリビングのガラスのテーブルで課題をしていた。

Tシャツとジャージを着ていて、首にバスタオルを掛けている。

「こっち来いよ!」
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