消えた同級生【玩具の女編】
私に気付いた寒河江は手招きをする。

私は言われた通りに座った。

「お前もやれよ。まだだろ?」

課題を指差し、私もかばんから出して横で始めた。


一緒に住むってこういうことなんだ…


私はぼんやり考えながらペンを動かした。先に終わった寒河江は床に横になって漫画雑誌を読み始める。

たまに起き上がっては、テーブルの上の市販の水を飲んで、また横になった。

寒河江の綺麗な横顔が、リラックスしているのをよく表していて私は少し見とれていた。

課題が済んで、道具をかばんにしまっていたら寒河江がそれに気がついた。

「終わったか?」

ビクッとした。

ついに来たんだと身構え、頷いた…


指先が小さく震え出す…
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