消えた同級生【玩具の女編】
「じゃ、つけるぞ」

そういうと身を乗り出して、テレビのリモコンを取り、スイッチを押す。

バラエティーを見ながら、寒河江はばか笑いをする。

私はびくびくしながらその光景を見ていたが、やがて意外な言葉を言われた。

「眠くなったら、先に寝てていいぞ」

私は驚いて、拍子抜けしてしまった…

先に寝てもいいんだ…

私は頷いて特大のベットに潜り込んだ。

うちとは違う匂いがする…何か香水のようないい匂いが

寒河江の笑い声が時折聞こえ、私は目を開けた。

いつ来るのかが怖くて、全然眠れない…

布団に入って来たら襲われるかもしれない…

この番組が終わったらもしかして…

私の身体はまた小刻みに震えていた。

どうしよう…、いつ?いつ?

壁に向かって縮こまっていた。

寒河江が立ち上がる音に身体がビクッとする。

しかし寒河江はトイレに行ってしまい、戻ってきてテレビを消した。

いよいよ寒河江が布団に入り、電気を消した時私の緊張はピークに達した。
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