消えた同級生【玩具の女編】
寒河江は見たことない表情を浮かべている。

…きっと色気の最上級な表情なんだろう…

男のくせにやはり綺麗に見えた

そうだ、この人は悪魔だった……



「命令だ…今から俺の事名前で呼べよ…」

「な、名前…?ひ、ろ?」

「もっと…」

「ヒーロ…」

「もっと…」

寒河江がキスをしたまま再び動き出した。

名前が寒河江の口の中に消える…

「ヒーロ…」



「蒼湖…」



「ヒーロ…、緋色…」




私は何度も繰り返した…

彼の名前を…




緋色と−。




その日から私はほぼ毎日彼に抱かれた…

いつの間にか恐怖はなくなり、行為自体に慣れるようになった。

痛むこともなくなり、彼の名前を呼ぶ事にも慣れてしまった。
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