消えた同級生【玩具の女編】
やがて時が過ぎ、季節は梅雨明け間近の7月になった。

「今日委員会があるから…」

「何でお前なのよ」

「仕方ないよ、推薦されたんだから…。買い物は私がして帰るね…」

「いいよ、俺が早く帰るんだから。ったく…」

ぶつぶつと緋色は文句を言っている。

私はホームルームで文化祭実行委員に推薦され、やることになってしまった。

緋色は爆睡していてその事を全く知らなかったのだ。

夏休みを挟むために、今から活動が始まる。

今日は最初の顔合わせだった。

「じゃあ…」

私はかばんを持って委員会がある教室に向かった。

…緋色がいない時間は久しぶりだな…

少し気が楽。

推薦されて引き受けたのも、心の中で緋色から解放されたかったからかもしれない…



「如月、久しぶり!」

「山谷君…」

「如月も委員?」

「うん…」

少し俯いて返事をする…何となく顔を合わせられなかった。

彼は去年同じクラスで、修学旅行では同じ班だった。

みんなに優しくて、頭がよくて理知的な彼に、少しだけ憧れていた。



委員会が始まり、みんなが挨拶をし、スローガンなどを話し合う。
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