消えた同級生【玩具の女編】
「緋色…、何で…?」

緋色はゆっくり階段を昇って来る。

「人の物に勝手にちょっかい出さないでもらえます?」

緋色は肩を組むように私に腕を乗せた。

「君みたいな不良に、如月さんは合わないと思うけど…」

山谷君は明らかにイライラした表情をしている。

いつも温厚だったのに…

珍しい一面を見た気がする

「ふーん、じゃあ、あんたは蒼湖を満足させれんの?」

「は?」

山谷君には意味がわからないようだったが、私は嫌な予感がした…

緋色が変な事を言うんじゃないかハラハラする……

「だーかーらー、俺達は毎日毎日あーんな事や、こーんな事をしてるワケ。あんたみたいな童貞野郎に、蒼湖を満足させられるのかって聞いてんだよ。
わかった?」

明らかに緋色は山谷君をバカにしている。

私は怒りと恥ずかしさで緋色を睨んだ。

「そ、そんなの嘘だね!如月がそんなことする訳ない」

山谷君が真っすぐな目で私を見る。

だけど…私は目を反らしてしまった…

「いいぜー、見せてやるよ」

そう言うと緋色は、肩に乗せた方の腕で私のリボンをほどいた。
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