消えた同級生【玩具の女編】
「まず病院に行こうぜ。どうするかはそれから考えないと」

緋色は一人盛り上がってタクシーを呼び、着替えを始める

私はついていけない…

妊娠して、産めって言われて…

私達はまだ中学生なのに…

高校生でもない中学生なのに!


考えてるうちにタクシーは到着し、緋色は「どっか近くの産婦人科まで!」なんて軽々しく言ってる

考えがまとまらない




タクシーは個人病院に連れて来てくれた。

緋色が珍しく手を繋いで来て、私達はタクシーを降りる

舞鶴産婦人科医院

『誠に勝手ではございますが、当院では堕胎手術は行っておりません』

そんな貼紙が自動ドアの前に張っていて、私の心臓は嫌な感じに揺れた


その貼紙が今でも忘れられない…

待合室は大きくて、小さい子供達が奥でアニメを見ている。

ソファに座ってるほとんどが妊婦さんだ

受付を済ませると、私達は反対奥の個室の待合室に案内された。

待合室6番
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