消えた同級生【玩具の女編】
二人用のソファ、目の前にはデスク、横には小さいドア。

デスク向こうにはカーテンがあり、その向こうは慌ただしい…

怖い…

デスク上にはテレビがあり、避妊具の紹介から出産までの映像が流れていく…

私は映像を見ていたけど、視界を流れていくだけだった

しばらくすると看護婦さんがカーテンから顔を出す

「如月さん?先に内診しましょうか?左のドアに入ってくれる?」

「は、はい」

すっと椅子を立ち上がったとき、緋色の手が自分の手から離れるのを感じた…

気付かなかった…ずっと手を繋いだままだった

ドアの中は狭くて、カゴとカーテンを向いた大きな椅子がある…

「初めて?」

カーテンの向こうからさっきの看護婦さんの声がする

「はい」

「子宮の中を見せてもらうから、下着を脱いで椅子に座って。大丈夫よ、痛くないからね」

私は言われるままに椅子に座った

「オッケー?」

看護婦さんは明るくて私はどうしていいかわからなかった
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