消えた同級生【玩具の女編】
「赤ちゃんが弱くて…」

「何で流産してんのに、検査薬が妊娠してることになるんだよ!」

「身体はゆっくりしか戻れないんです。だからまだ妊娠の反応が出てしまいます」

私は身体がカタカタと震え出してきた

それを見た先生が神妙な表情を向ける

「すみませんが、ちょっと話をしますので、如月さんと二人にしてもらってもいいですか?」

「あ?ああ…」

緋色も私の様子を見ると大人しく引き下がった



「どうしましたか?」

先生は変わらず優しい笑顔を向ける

「私が…赤ちゃんを殺したんですか?」

「いいえ。どうしても受精卵の中には弱い子がいて、そういう子はこちらがどんなに手を尽くしても流れてしまいます。
ですが、あなたの様なケースはとっても多いんです。ほとんどの人が妊娠に気付かずに終わります。
今回は赤ちゃんが弱かった…という流産です。」

私は俯いた

「でも妊娠はもう少し待ってください」

「え?」
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