私の彼氏
うそ…
平田くんも覚えてたんだ。
絶対覚えてないと思ってた。
………
あれは中1の夏休み。
私は図書委員の仕事で学校に来ていた。
仕事っていうのは
図書室の掃除。
同じ日の当番と子が
家族旅行でいなかったので
私は1人で掃除をしていた。
「…よし。後はゴミ捨てか」
外にはギラギラと照りつける太陽と
運動部のかけ声。
(こんな暑いのに、すごいなぁー)
そんなことを思いながら
ゴミ捨て場へと向かった。
図書室からゴミ捨て場は意外と距離がある。
(やばい…気持ち悪い…)
ゴミ捨て場でゴミを捨てて戻ろうしととき
急に気持ち悪くなってきた。
(うっ…)
私はその場にしゃがみこんだ。
すると
足元には土まみれの野球のボール。
(野球部の…かな?)
あまりにどろどろなので
指でこしこしと土を落とした。
「あ、すいませーん!」