私の彼氏
その日から
藤城直樹はあたしに付きまとうようになった。
高3になった今でも健在。
うわ…来た
「あ!りおちゃ〜ん!」
「なんなんですか、来ないで下さい」
「冷たいなぁー。仕方ないじゃん?隣の学校なんだし♪」
…うざい。
なんでこの人の学校が
あたし達の学校の隣なわけ。
てか高3だったんだ。
ありえない…
そのせいで毎日付きまとわれてる
「理緒、バイバーイ
って、え⁉藤城直樹くん⁉」
あ、高3で同じクラスになった
槙田さん。
「どうもー、初めまして」
そう言って
営業スマイルを浮かべる。
この顔、大っ嫌い。
「ちょっと、理緒!どういう関係⁉」
「偶然会っただけの全く知らない人だよ。じゃあ、失礼します。」
一応、藤城直樹にも一礼して
その場から去ろうとすると
「待って!一緒に帰ろうよー!」
腕をぎゅっと掴まれた。
いや…気持ち悪い…
「離してっ!」
奴の手を少し荒く振り払って
私は家へと早歩きした。