吸血鬼が幽霊になって何が悪い!


半ズボンに白いハイソックス、そしてブレザーというまるで小学校の入学式に着る正装をしている男の子は、周りの景色と不釣合いな気がした。


恵まれた環境のおぼっちゃまなのだろう。


表通りは世界一を誇る電気街、奇妙なコスプレ衣装を着た店員が出迎えるコンセプトカフェなど賑やかなビルが建ち並ぶが、一歩裏に足を踏み入れると生きる覇気を失った殺風景な通りが死んだように眠っている。


色味がなく古ぼけたモルタルの廃屋が続く景色、ゴミが散乱し、衛生的とはいえない路地裏に並ぶトタン屋根の家に人の気配はない。


裕福層の子供がこんなところを一人で歩いているなんておかしい。

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