吸血鬼が幽霊になって何が悪い!


「おまえは人間か?」
男の子をじっくり観察して尋ねた。


「あたり前じゃん」


「迷子になったのか?」
認めたくないだろうと思いながら訊いてみる。


「違うよ」
男の子は口を尖らせた。


「そうか」と言っておれは犬の方を向き、男の子に背中を見せ、無視する態勢を整える。


「ねぇ、もう質問してくれないの?」
男の子はおねだり口調で会話を続けようとする。


これだから人間の子供は嫌なんだ。ちょっと相手にしてやるとすぐ調子に乗る。そのくせ血液の量は少ない。

< 7 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop