ずっと一緒
出会い
2002年6月 私は私立高校に通う高2のサク。今日は、日曜日だから、家でテレビを見ながらゴロゴロ過ごしていた。 ♪ピロロ〜ン♪ 着信:おかん 仕事中のお母さんからだ。「もしもし?」 「サク今暇やろ?人手が足りんけ来てくれん?」 「ん〜、わかった」 戸惑いながらも、そう答え、バスに乗って店へと向かった。お客としては何度も行った事のあるファーストフード店だ。 緊張しながら店に入り、みんなに挨拶をしてから制服に着替え、準備をした。何も分からない私に、みんな優しく仕事を教えてくれた。この日はほぼコップ洗いだったが、新鮮で楽しかった。今日がキッカケで私はここでバイトを始める事になった。 仕事も少しずつ覚え、バイト仲間とメアド交換したり、学校もバイトもそれなりに順調だった。 それから一ヶ月くらい経ったある日、私は先輩になった。一個下の子が何人か入ってきた。 元々、人見知りな私は何を話していいか分からず、仕事以外の話はほとんどしなかったが、その中に妙に気になる人がいた。 声が大きくて、元気な男の子だ。