【短編】レタスとサバ
私は泣きそうになりながら、必死で家まで走った。

忘れるのに必死だった…

思い出したくない!



「お?レタス…何だそのツラは?」

ごましお…

「いらっしゃい…」

「おいおい、どうした?お前らしくないぞ、いつもの元気はどうした?」

ごましおは真剣にうろたえている…

私そんなにひどい顔してるかな…

「別に何にも…」

「サバと喧嘩でもしたか?」

ギクリとした顔をつい見せてしまった…

「何だ、痴話喧嘩かよ…」

何?そのあからさまな安心顔!

「違うよ!痴話喧嘩なんかじゃないよ…話したくない、あんな裏切り者。」

「はあ、まだ怒ってるのか…じゃあ次はお前がなればいい。だから許してやれよ」

「ヤだ!」

「それがレタス、お前のためでもか?」

「え?何が?」

「だから、サバがイメージキャラクターになったのが、お前のためでも許せないか?」

な、何言ってるの?

「私のために?サバが…」

理解できない!

「あいつは言わないだろうな…俺が話してやるよ!何でサバがアイドルなんかやるハメになったのか…」
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