【短編】レタスとサバ
「もしもーし」

陽気な声が受話器から響く

「麗花ー?どしたの?」

久々自分の名前を二人に呼ばれた…

今日は珍しい

「お姉?ストーカーに狙われてたってホント?」

「…聞いたの?」

「うん…」

「アイツ、超キモいよ。あんたさ、アイツが捕まってからアイドルになんなよ!?」

「…サバが…」

私は上手く言葉をまとめることが出来ないでいた…

「サバ、捕まえるためにアイドルになったんだって…」

「はぁー!?違うよ!バカじゃないのアンタ。サバはアンタを守るためにアイドルになったのよ?」

「………」

「アンタに何にも起こらないように、囮になってくれてるんじゃない…」

「………」

「あんなに毎日一緒にいて、サバの何を見てたのよ!アンタ、それでもサバの事好きなの?」

「………」

「全く!!」

封印していた現実を、お姉から突き付けられた

思い出したくなかったのに…

裏切られたと思ってた

でも…




違ったなんて………

「麗花…、まだプライドが大事?」
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