【短編】レタスとサバ
「サバが…」

「とにかく、あんたはもういい相手がいるんだから、ちゃんと話して大事にしなよ!そこまでしてくれる男、なかなかいないよ!」

「………」

お姉が何か言ってたけど、どうも上の空だった…

肌のお手入れなんかそっちのけで、私はサバの事を考え続ける

どうしてそこまで、私の為?

ずっと人気者になりたいからだと思ってた…

私から奪って喜んでるんだって

でも…

私を守るために、私の代わりに…



私は枕の下に頭を挟めて大声を出した

もう何を叫んでいるのかなんてわからない

ただただ、叫んだ



サバ…









「倉持さん、今日部活無いんだ…一緒に帰らない?」

「え…あ、はい」

昨日まではあんなに浮かれていたのに、一日経つとこんなにも昔の想いに悩まされ始めてる…

私って、馬鹿な女だな

先輩は楽しそうに何かを話しているけど、私は笑顔を向けながら聞いてなかった

頭はサバばっかり!!!




「嘘…麗花…?その人…」

商店街の入口で、私達を見て驚いている人がいた

「え?…何でここに?」
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