【短編】レタスとサバ
数ヵ月後―



静かな河川敷を二人で歩く

「腕、大したことなくて良かったね」

「すごい傷痕だけどね」

サバが笑う

私も笑った

「しかし、俺のコーナー…いつの間にかナルトの護身術コーナーになっちゃって…ちゃっかりっていうか、何て言うか…」

「いいんじゃないの?あんたが散々お店は紹介してくれたんだから、世代交代しないと…」

「レタスはいいの?」

「私?私はいいよ…。ゴマシオがさ、私達は二人揃って笑ってると太陽みたいだって、前に話してくれたんだよね〜。それって、十分みんなのアイドルって事じゃない?」

サバが真剣に私の顔を見ていた

「私はみんなのアイドルじゃなくて、商店街のアイドルになりたかったの…でももうなってたみたいだから、十分!!」

その言葉に安心したみたいで、サバは微笑んだ

「良かった…」

私達は川岸に座って、川に石を投げた

「あの日の放送、全国ニュースになったんだよね?」

「そうだよ。この前の衝撃映像スペシャルでグランプリ取ったんだから!何で見てないの?」

「最近、家の手伝いで忙しくて…」

< 36 / 38 >

この作品をシェア

pagetop