【短編】レタスとサバ
「継ぐ準備?」

「うん…。卒業したら、俺魚屋さんだから!アイドルの仕事も、もうやらなくていいし」

サバはゆっくり背伸びをしながら寝転んだ

「レタスは?どうするの?」

「私は短大にでも行って社会でも見てこようかな…
どうせ、お店は継げないし」

私も寝転ぶ

「レタスのいない商店街なんて…」

「2年くらいいいじゃん」

「結婚してください」



「はい!?」



「結婚してください」

え?

え!?

ええー!!!

私は慌てて飛び起きた

「何今サラッと大事なこと言ってんのよ!」

「じゃあいつ言えばちゃんと聞いてくれるの?
いつ言えば『うん』って言ってくれんの?」

サバは寝たまま真剣な目で私を見ていた…

……………

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「まあ、卒業までに考えておく…」

「えー!あと一年あるじゃん!」

「人生一年で決めろって言うなー!」

私は近くの草を引っこ抜いてサバに投げつけた

来年…

どうなるんだか…

私にもわかんない!







でも、ずっと商店街にいられるから、いいかもしれないね!



サバのいる、商店街に










――終わり――
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