キミと生きた時間【完】
「どこを目指してるんだろう……」
もしかしたら、彼女の家に向かう途中かもしれない。
もしくは友達の家とか。
彼の後についていって何をするつもりなのか自分でもさっぱり分からない。
自分でもこんなことどうかしてるって分かってる。
一歩間違えたら、っていうか、一歩間違えなくてもこれじゃ彼のストーカーだ。
彼があたしに一線を引こうとしたのは、あたしのストーカー気質を見破ったからなの!?
……――そんなわけない。
だって、あたしはストーカーじゃない。
彼に好意があって追いかけているんじゃない。
ただ、どこか寂しげな瞳をしていた彼がとても気になったから。