キミと生きた時間【完】
「……――いっていきます」
学校へ行く準備を整え玄関に向かうと、お母さんが見送りにやってきた。
「はい、お弁当。今日は雨が降るみたいだから、気を付けてね」
「折り畳み傘を持ってるから大丈夫だよ」
にこやかにそう答えた後、あたしは「あのさ」と意を決して切り出した。
「お弁当、毎日作るのは大変でしょ?たまには友達と学食で食べるから無理してつくらなくてもいいよ?」
できるだけさりげなく言うと、お母さんはほんの少し困ったように眉を下げた。